女性の育毛剤成分「グリチルリチン酸2K」とは、その効果、副作用は

女性用育毛剤の成分の主要な成分の一つであるグリチルリチン酸2Kとは、グリチルリチン酸2カリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、などとも表記される水溶性の白色粉末で、抗炎症作用を持つことで知られています。
漢方薬にも使われるカンゾウという薬草から抽出される成分で、その抗炎症作用の効果により、育毛剤では女性用に限らず男性用にも使用され、更に抗炎症作用のみならず、抗アレルギー作用もあることから、敏感肌用やニキビ肌用の化粧品に多用されています。この抗炎症および抗アレルギー作用が使用メリットであるグリチルリチン酸2Kが、育毛剤の主成分としても使われているのは、上記作用にとどまらず、例えば発毛効果もあるからなのでしょうか。発毛効果とは、文字通り新たに毛髪が生えるような効果であり、発毛効果を認められている化合物は限定されておりますので、残念ながらグリチルリチン酸2kにこのような効果は期待できません。それでは、一体どのような効果で育毛剤に使われているのか、ですが、他の皮膚よりも皮脂の分泌が活発であり、雑菌の増加しやすい頭皮において、殺菌効果の高いグリチルリチン酸2Kが清潔さを保持していることが考えられます。前記の抗炎症作用、抗アレルギーがこれに加わり、頭皮の炎症を抑えて殺菌し、フケ、かゆみを抑える事で、髪が育ちやすい頭皮環境を作る、まさに髪を育てる効果すなわち育毛効果を発揮していると考えられます。

一方、この様に育毛剤を含む幅広い用途があるグリチルリチン酸2Kには恐ろしい副作用があり、使いすぎると肌を荒らして危険であるとする見解が、インターネット上などで見られますが、これは本当なのでしょうか。
グリチルリチン酸2Kは摂取量が一日40mgを超えると、偽アルドステロン症を発症する可能性があることが分かっているため、内服薬の成分としてグリチルリチン酸2Kを摂取する場合には、使用量の制限があります。偽アルドステロン症とは、副腎より分泌されるホルモンであるアルドステロンが過剰に分泌されていないにもかかわらず、あたかも過剰に分泌されたかのような症状を示すことをいい、具体的にはアルドステロンによって亢進される、尿細管でナトリウムイオンの再吸収と入れ替わりにカリウムイオンが尿中に分泌されるという機構が、偽アルドステロン症においても亢進されるのです。副腎皮質ホルモンと同じ基本骨格を持ち、グリチルリチン酸2Kよりも強い抗炎症作用、抗アレルギー作用が知られているステロイド系抗炎症剤は、その免疫抑制効果などにより薬剤として求められる効果を発揮しますが、その効果が大きいだけ副作用も大きく、過剰な免疫抑制効果による感染症、塗布薬品におけるかぶれなどがあります。前述したグリチルリチン酸2Kとは、副腎からの分泌ホルモンと関連付けられる点や、抗炎症作用、抗アレルギー作用がある点で共通しており、グリチルリチン酸2Kが恐ろしい副作用を持ち、危険であるとする見解は、これら2種類の成分を混同している可能性もあると考えられます。
グリチルリチン酸2Kは、前述のように内服薬の成分として摂取する場合には、副作用を理由とした使用量制限がありますが、そもそもステロイド系薬剤と比較すると、効果自体が小さく、所謂ステロイド効果は謳う事ができず、少なくとも外用薬として使用する場合において、副作用の心配がない事は、グリチルリチン酸2Kの開発者自身が行った臨床試験の結果をもって実証されていますので、化粧品や育毛剤においてグリチルリチン酸2Kの副作用が問題となる可能性は限りなく低いと考えられます。

女性の育毛剤成分グリチルリチン酸2Kの効果は、劇薬的なものではなく、頭皮の環境を整える穏やかな育毛効果であり、効果は穏やかですが副作用も小さく、特に化粧品や育毛剤の成分として使用した場合の副作用の心配は、殆どないと言って良いでしょう

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