女性用の育毛剤にも多く使われているヒオウギエキスとは、日本や中国、インド北部などが原産地のアヤメ科の多年草から抽出された植物エキスになり、葉の形が檜の扇を広げたように見えることからヒオウギ(檜扇)と呼ばれるようになったと言われ、山に自生している植物ですが、夏になると色鮮やかな花が咲くので観賞用として鉢植えで育てることもあります。ヒオウギの根茎は漢方薬に利用されていて、近年ではその育毛効果から薄毛の悩みを解消する製品にも配合されているのですが、ヒオウギエキスの発毛効果とはどのような秘密があるのでしょうか。
ヒオウギエキスの成分になる大豆イソフラボンアグリコンは、女性ホルモン類似物質でありエストロゲンのような働きをするため、ホルモンバランスの正常化にとても役立つ成分で、保湿能力向上で肌や髪に潤いをもたらし、女性的な魅力を引き出すとしてサプリメントや化粧品など美容面でも活躍している成分です。漢方では射干(ヤカン)という生薬名になり、乾燥させた根茎は抗菌作用があるとして炎症を鎮める薬として用いられたりします。
ホルモンバランスを正常化へ導く大豆イソフラボンにはアグリコンとグリコシドの2つのタイプがあるのですが、糖と結合していないアグリコンは分子が小さいため体内への吸収性に優れていて、グリコシドよりも浸透力が高くなっています。
女性ホルモンは髪を育てるための重要な役割を担っていて、加齢で減少してしまったり男性ホルモンが優位になってしまった状態を改善し、ホルモンバランスを正常化する働きが期待できるため、育毛剤に用いられているのです。毛髪が薄くなってしまうのは様々な原因がありますが、代表的なものに男性ホルモンのジヒドロテストステロンが増加して髪の成長が妨げられて抜け毛を誘発するAGA(男性型脱毛症)があり、これは男性だけでなく女性ホルモンが減少してホルモンバランスが崩れてしまった女性にも起こります。
また、ヒオウギエキスには細胞賦活作用があって、代謝を活発にして細胞を若く保って老化を防止する働きがあるとされているため、髪の成長に必要な毛母細胞の分裂を促して成長期から退行期、休止期といったヘアサイクルの維持に有効になります。
健康な毛髪を育てるためには頭皮の環境も重要になりますが、ヒオウギエキスは皮膚の弾力を保つために必要なコラーゲン減少の原因になるMMP-1の生成を抑える働きがあると言われています。その他にも、リパーゼ活性阻害作用があり、皮脂の分解で生成される遊離脂肪酸を抑制するため、毛穴の炎症やニキビの改善に役立つとされていて、頭皮がべたついてしまい過剰な皮脂が毛穴に詰まって発生する抜け毛対策に効果を発揮します。
ヒオウギエキスには育毛効果が期待できるたくさんの働きがありますが、植物から抽出している成分のため薬のような副作用がなく、男性、女性に関わらず継続的に使用でき、特に使い心地の良さと刺激や副作用の少ない成分で育毛効果を得たい女性用のケア用品の多くにヒオウギエキスが配合されています。
女性用の天然素材を中心とした原料で作られている育毛剤などは、ヒオウギエキスをはじめ様々な植物エキスがバランスよく配合されていて、それぞれの相乗効果でホルモンバランスの正常化や頭皮の保湿能力向上、皮脂分泌を抑制し毛穴の炎症を抑え、細胞を活性化させてヘアサイクルを安定させるといった、発毛や育毛に重要なポイントがしっかり押さえてあります。香料や鉱物油などを配合していない製品も多く見られるので、ヒオウギエキスなどの天然由来の成分が配合されている育毛剤なら、体への負担をかけずに毛髪と頭皮のケアができます。